開催概要

明けない夜はない

天草陶磁器の島づくり協議会 会長 金澤 一弘

2020年が始まった時には今年はオリンピックがあり、新しい日本を世界に向けて発信する年になると疑いもせず思っていた。コロナウイルス発生のニュースが流れ始めた頃も、まさかその病がオリンピックを延期に追い込み、志村けんを奪い、全世界に猛威を振るうことになろうとは夢にも思っていなかった。天草でも春の恒例行事である牛深ハイヤ祭が中止になり、トライアスロン、花菖蒲まつりと相次いで中止が決まった頃には、この問題の解決には数年かかるのではないかと考える人が多くなっていた。
外出する人が減り、外での食事をあまりしなくなった。ソーシャル・ディスタンス。人との距離を測るように言われるようになった。コロナ以前と以後の生活と表現されるようになった。自分の部屋に留まり生活する人が増えてきた。人通りの少ない街。人のまばらな駅。人影の薄い繁華街。外国の人達が見当たらない観光地。ネオンがまばらな飲食街。いつの間にかオリンピックが延期となり、古くからの祭が相次いで中止となった。客の減少に当惑を隠せないホテルの支配人の映像。キャンセルの対応に追われる旅館の女将の嘆き。お客の見当たらない空港ロビー。昨年とは全く違った風景がテレビの画面に映し出されていた。
天草大陶磁器展は開催するのかという問い合わせが増えてきたのが6月末。その時には今ほど深刻な状況になるとは思っていなかったので、よほどのことがなければ普通に開催出来るだろうと考えていた。天草市の関連事業の開催中止が続いてくると、果たして今年は天草大陶磁器展を行えるのかという不安が次第に大きくなってきた。陶芸家はどこもかしこも外にモノを持っていく機会が極端に減ってきて、天草に観光で訪れる人も目に見えて少なくなってきた。このままでは天草はもとより、日本全体の経済が立ち行かなくなるのではないか。学校の休校や夏休みの人出のニュースを見ると、どれもこれもが悲観的な観測ばかりで、この先世界はどうなるのだろうという思いが押し寄せてきた。
開催を強く決定付けたのは陶芸という仕事が、自由業であり作品を販売することによって成立する仕事だからだ。持続可能な社会という言葉が最近よく使われるが、陶芸という仕事を継続するためには、作品が売れ、利益が出て再度生産する資金を得ることにより継続可能となる。殆どの窯元は個人経営なので、継続するため潤沢な資金があるわけではない。つまるところ自らの仕事や生業は、自分でモノを作り販売しながら切り開くしかないのだ。
昨年までのことを今年も行うことは案外簡単なのかもしれない。昨年通りに行えば80%はルーチンワークなのだから。今年は開催するかどうかの決定に始まり、規模をどの程度にするかの決定。出店窯元の形態変更から始まり、人員配置の変更。入場整理券の発行方法や会場設営の変更。すべては1から考えなければならなかった。東京の罹患者の推移。九州の罹患者の推移。熊本の今の状況とこれから先の予測など。今の段階でどこまで出来ているのか、それさえもはっきりと断言できるわけではないが、毎週会議を行いどうするかを検討し続けてきた。2020年の秋のイベントはいくつもあるだろうが、コロナ禍で初めての秋のイベントであることはどこも同じだと思う。大きな混乱を起こさず、人に災いを移すことなく。多少はもたつくかもしれないけれど、安全第一の天草大陶磁器展にしたいと願っている。

第17回 天草大陶磁器展 開催要項

1.目 的

天草地域は古くから全国でも有数の陶石の産出地として知られ、陶磁器関係者の間では知名度が高く、陶石といえば天草陶石を指すほどの陶磁器原料である。
平成12年度に開催された第13回県民文化祭「ミレニアム天草」における国際陶芸シンポジウムにて「陶石の島から陶磁器の島へ」と題した決議文が採択されて以来、平成13年度からの3年間において「陶芸のまちづくり事業」を実施し、平成15年からは、国の伝統工芸品の指定を受けた「天草陶磁器」の知名度の向上、天草ブランドとしての確立、陶磁器産業の振興を目的に天草大陶磁器展を開催し、地元陶芸家の人材育成を行ってきた。
今年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、窯元の来島を県内のみに限定し、各種イベントを見直すことでスリム化を行い、感染防止対策を確実に実施し、新型コロナウイルスとの共存を見いだし“陶磁器の島「天草」”をアピールする。

2.主 催

天草陶磁器の島づくり協議会・天草市

3.日時・会場

期 日:令和2年10月31日(土)~ 11月4日(水)【5日間】

時 間:午前9時30分 ~ 午後5時30分(但し、3日(火)は午後8時まで、最終日の4日(水)は午後4時まで)

会 場:天草市民センター 体育館ほか

4.イベント内容

(1)天草大陶磁器展【会場:天草市民センター体育館】

天草島内を中心に熊本県内の伝統的窯元から若手陶芸家まで約40窯元による展示即売と熊本県外の陶芸家の作品を依託展示販売する。(出展予定=熊本県内約40窯、熊本県外約20窯)

(2)第13回アマクサローネ【会場:未定】

天草市内約10店舗の若手芸術家(アート、写真、活版印刷)などによる個展やギャラリーを実施する。

5.新型コロナウイルス感染症の予防・拡大防止対策の確実な実施

①対策方針に基づき確実に実施する。
②来場者、窯元への対策の周知と実践を義務化する。
③入場券を事前配付し、集客人数の調整を図る。

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