ディスカッション・講演会

コーディネーター 金澤一弘

 石川で陶芸家のタマゴ達に話しをする機会があった。話をするわけだからと、数日間、徒弟制度について考えを巡らした。徒弟制度はいつ完成したのだろうか・・・徒弟制度とは言うまでもなく、明治以前の職業教育だ。腕一本。身一つで世の中を生き抜いていく術。それが徒弟であり職人ということだろう。職人の歴史を調べてみると平安時代末期12世紀まで遡ることが出来る。この頃、職人という職業発生のきっかけとなる、賃金仕事が起こる。需要の高い分野に農民からの職業分化がみられ、幾つかの職種が出来た。14世紀からは現在の職人に近い形が出来上がった。工人の誕生である。
 工人の職制が14世紀に確立したとすると、徒弟制度は800年以上の歴史を有している。現代の職制は産業革命以降に、日本においては明治維新以後に出来たものだから、まだ150年程度の歴史でしかない。現代の工業化は合理という名のもとに一極集中をもたらし、流通の発達により世界中どこでも大規模な工場が作られることとなった。グローバリズム。産業革命の理念である『世界中にあまねくデザインされたものを安価に』という思想のもと、生産は賃金の安いところで行われるようになり、賃金の高い先進国では工業的生産が減少傾向にある。この傾向がこれからも続くと考えられてきたが、最近の世界は必ずしもその方向へ一方的に向かっているとは思えなくなりつつある。
 世界をつぶさに観察すると、グローバル資本主義、新自由主義に陰りが見えつつあり、ナショナリズムや地域主義が台頭しつつある。これからはグローバルとローカルが対峙しながら、共存する方向に進化していくのではないか。日本においては、東京一極集中と地方多極分散に2極化していくのだろう。東京は今後も世界に対して拠点都市としての役割を担い続けるに違いない。多極分散化する地方において、天草は何処を目指すべきなのか。そのヒントは『我々は何処から来て、今何処にいて、何処に還るべきなのか』という言葉にあるように思えて仕方がない。天草に最先端は似合わない。デジタルではなくアナログな何か。陶芸は明治維新以前に全て完成された技術だ。先端を追い求めても追いつけるわけはない。文明退化あるいは文明退花。そんなことを考えてみた。
 今年の天草大陶磁器展では、全国から工業的・現代的ではない方法で、現代と真摯に向き合っている先覚者を招いて、様々な角度から地方が現代と向き合う方法を考えてみたい。先端も含みながら後端までの間に答えが存在すると考えたからだ。東京には東京の生き残り策があるように、地方には地方の生き残り策があるはずだ。答えは一朝一夕には出るはずはないが、時代を検証し、今までと今を考えることにより、現状での最適解が見えるかもしれない。 

ディスカッション

身一つを考える

話し手‥近藤良平
聞き手‥金澤一弘

舞踏家は過酷な仕事だと思う。身体表現は身一つが原則だが、身の内・外の在り方が重要となる。舞台上の震えるような緊張…対峙するのは自分自身しかないのだから。近藤氏は天草にて3度舞台に立ち、多くの人を惹きつけた。踊る真髄に迫る話ができたらと思っている。

112_01近藤良平氏


ペルー、チリ、アルゼンチン育ち。コンドルズ主宰。
第4回朝日舞台芸術賞寺山修司賞受賞。TBS系列「情熱大陸」出演。NHK教育などで振付出演。「AERA」の表紙にもなる。NHK連 続 TV小説「てっぱん」オープニング振付、三池崇史監督映画「ヤッターマン」、宮崎あおい主演「星の王子さま」などの振付も担 当。郷ひろみ「笑顔にカンパイ」振付。横浜国立大学、立教大学などで非常勤講師としてダンスの指導もしている。愛犬家。

講演会

古武道‥日本人の身体使い

古武道家
講師 甲野善紀

かっての日本人の歩き方は現代人とは違っていた。明治以前の日本人は走ることが苦手だった。危機に対しての身体のかわしかたや、重いものを持ち上げる時の身の入れ方。日本人が忘れかけている体の動きを、追い続けている人が甲野先生です。実践とお話。どちらもワクワクする企画です。

甲野善紀氏


1949年東京に生まれる。
「人間にとっての自然」を自らの身体感覚を通して探究しようと武の道に志す。合気道、鹿島神流、根岸流等を学んだ後、1978年 松聲館道場を建て、武術稽古研究会を主宰して活動を始める。介護、工学、教育等の分野からも関心が高まり、2007年から3年間、神戸女学院大学の客員教授も務めた。

講演会

私が見たとりどりの器

料理専門誌『四季の味』
講師 私市登志子編集長

日本全国。料理と焼物を見つける旅を続けている四季の味私市編集長にお話をしていただきます。私市編集長は取材で全国を駆け巡っていらっしゃいます。名物の産地であったり陶業地であったり。。。陶芸家の指針になるような料理と器の楽しい話。乞うご期待。。。

私市登志子氏


生活コーディネーター。TU・TI編集室代表。東京都生まれ。
2013年より『四季の味』編集長となる。本誌掲載の料理店と器は、自分で1軒ずつ訪ねて決定することをモットーとする。 「小さなお掃除習慣」を提唱し、雑誌・テレビなどで掃除や片付け、家事についてのアドバイスを行なう。『神様がやどるお掃 除の本』(永岡書店)は25万部のベストセラーに。

ディスカッション

天草陶磁器の17年間

日比野克彦
金澤一弘

2000年、ミレニアム天草のメインゲストとしてお招きして以来、毎年、天草に来ていただいております。時には作品作り、時にはワークショップ。時には審査員長…時には講演者。様々な出会いがあった17年間を総括しながら、これからの天草陶磁器の進む道を示してみたいと思います。

日比野克彦氏


岐阜県岐阜市出身。東京藝術大学教授
1982年東京藝術大学美術学部デザイン学科卒業。1984年東京藝術大学大学院修了。藝大在学中にダンボールや、わら半紙を 再利用した芸術作品を製作し脚光を浴びる。1995年から1999年まで東京藝術大学美術学部デザイン学科助教授、1999年から 2007年まで東京藝術大学美術学部先端芸術表現科助教授/准教授を経て2007年10月より現職。

ディスカッション

ローカルを極めてグローバルへ

話し手‥鶴田一郎
聞き手‥金澤一弘

鶴田一郎氏には同郷ということもあり、コンテストの審査委員として来ていただいています。会話の中で、印象に残った言葉が『ローカルを極めることにより、グローバルを目指そうと考えている』と話されたことです。天草の陶磁器も同じ道を目指すべきではないか。そんな話をしてみたいと考えています。

鶴田一郎氏


1954年、熊本県本渡市出身。天草地方の豊かな自然に囲まれて育った。
幼少の頃から絵を描くのが好きで、高校を卒業後、多摩美術大学グラフィックデザイン科へ進み、イラストレーターを目指す。 1987年にはノエビア化粧品の広告に抜擢され、CMアートの先駆者として人気を博し、彼の作品の中の女性たちは多くの人々 を魅了し続けている。

ディスカッション

珈琲の愉しみ

話し手‥大坊勝次
    金 憲鎬

聞き手‥金澤一弘

金憲鎬氏は大坊珈琲で珈琲に目覚めた陶芸家です。氏は大坊氏が目標であったとも言われます。大坊氏が作り上げた時間と空間。金憲鎬氏が憧れ目指したもの。1杯のコーヒーを通して、何がどう変化したのか。金憲鎬氏が目指す陶芸の話も交えながらお話いたします。

大坊勝次氏

金 憲鎬氏


大坊勝次…
1947年岩手県盛岡生まれ。
南青山の喫茶店「大坊珈琲店」店主。1975年の開店以来、表参道の交差点にほど近く、38年間変わらぬスタイルで営業を続けた喫茶店「大坊珈琲店」が、ビルの取り壊しにより2013年12月に惜しまれつつ閉店した。

 

金憲鎬…
昭和33年瀬戸市に生まれる陶芸を中心に絵画・オブジェなど多彩な作品を発表
平成16年「行為する日々 加藤委・金憲鎬」展(瀬戸市新世紀工芸館にて) 平成18年 ぎゃらりい栗本「陶のかたちⅢ」平成23年 ぎゃらりい栗本にて個展 全国各地にて個展を中心に作品発表

整理券・チケットのお求め先

天草唐津十朗窯(天草町 0969-42-3143)/市山くじらや(五和町 0969-34-1156)/工房樹機(枦宇土町 090-2502-3547)/陶丘工房(五和町 0969-32-2502)/丸尾焼(北原町 0969-23-9522)/水の平焼(本渡町 0969-22-2440)/山の口焼(本渡町 0969-24-2072)/天草市経済部産業政策課(0969-23-1111 代表)

『整理券・チケット専用メールアドレス amakusadaitoujiki+event@gmail.com 住所・氏名・電話番号を明記のうえ、ご希望の講演を必ず指定してください。』

ディスカッション・講演会 お問合せ先

丸尾焼 熊本県天草市北原町3-10 TEL 0969-23-9522 FAX 050-3488-9252